福島第一原発汚染水問題 情報収集(2)

福島県協議会の緊急視察と東電批判

・8月7日付けの産経新聞は26面(社会面)の真ん中紙面の1段目から4段目を使って、汚染水「場当たり対応」の表題で、県協議会の緊急視察を写真入りで報じていました。
(県協議会の視察は8月6日のNHK午後7時のニュースでも放映されていました)。

・同日の毎日新聞は2面の真ん中紙面の6段目と7段目の2段で「対策場あたり的」を表題にして、福島県評議会東電を批判と報じていました。

・両紙とも協議会委員からの「もぐらたたき」「対象療法的」などとの不満が噴出したことと、県原子力安全対策課の渡辺仁課長が「汚染水をめぐる対応は事後的、場あたり的だ。リスクを想定し、全体像を明示した対策をとってほしい」と要請したことを報じています。


野坂昭如「七転び八起き・・・原爆と原発 瞑想の過ち、再び」(8月6日毎日新聞

・広島の被害についての大本営発表「1、昨八月六日、広島市は敵B29少数機の攻撃により相当の被害を生じたり。2、敵は右攻撃に新型爆弾を使用せるものの如きも詳細目下調査中なり」であった。

・当時大日本帝国のリーダー、いわゆる最高指揮官といわれる連中の多く、この頃すでに自発的には何も決められないでいた。 一種の意地のようなものを持ちつつ、あやふや。日本の置かれた状況、立場について判断できぬまま、迷走を続けた。

・戦争の行く末を深刻に受け止め、現状に鑑み、今後の展開を考える者はいなかった。戦争とはそんなもの。みな与えられた場所で、それぞれ自分の役割を果たすのみ。戦争に限らない。いったん突き進みだすと止まらな風潮は今も同じ。

・戦後は高度成長の波にうまく乗り邁進した。今日本では原発再稼働に向けてまた走り出そうとしている。原発は原爆と紙一重の差しかない。原発をコントロールしたつもりになっていた。

福島原発の事故解明はほど遠く解決法などない。汚染水は垂れ流したまま安全だと呪文のように唱えながらどこえ向かおうとしているのか。かって判断できぬまま迷走を続けた日本、今再び迷走を続けようというのか。


●「福島第一原子力発電所における汚染水流出問題について政府の直轄による危機管理を求める意見書」の結論部分ピックアップ(7月31日いわき市議会)

・今回の汚染水の海への流出及び判断の遅れを含め、これまで東京電力が繰り返し行ってきたトラブルへの場当たり的な対応や情報公開の遅れからは、反省の色が全く見られないばかりか、原子力発電所事故の当事者としての誠意と責任が感じられず、いわき市民の東京電力への不信感は増幅し続けており、今後、東京電力が自らの自助努力によっていわき市民からの信頼を回復し、不安を払拭することは極めて困難であると言わざるを得ない。
 よって、政府においては、今後、福島第一原子力発電所における事故収束に向けた取り組み及びトラブルの処理について、原子力規制委員会を初め政府自ら前面に立って現場を指揮することとし、全てのデータを政府において把握・管理・評価し、危機管理を政府が直轄するよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。


●平成25年6月27日付東京電力福島第一原子力発電所1〜4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ(ポイント」)・・・資源エネルギー庁福島第一原発廃炉対策推進会議資料1からの抜き書き

3.汚染水処理計画
 汚染水処理に当たっては、以下の対策について必要な検討を行い、海への安易な放出は行わない方針。
1)増水の原因となる原子炉建屋等への地下水流入に対する抜本的な対策
 現行対策が十分に機能しないリスクに備えた重層的対策を講じることが必要。サブドレン復旧等による水位管理に加え、凍土方式による陸側遮水壁を設置することで、地下水の流れを遮断し、建屋内への地下水の流入を抑制する。今後、凍土方式による陸側遮水壁の設計概念等を進めていく中で、技術的な課題の解決状況を検証していく。
2)水処理施設の除染能力の向上や安定的稼働
 多核種除去設備の本格運転に向け、汚染水処理設備の信頼性向上を推進。
3)汚染水官吏もためのタンク増設
 中長期で必要とされるタンク容量を見通し、増設計画を策定。2016年度中に80万立方
米に増設する計画の検討を進める。また、柔軟に増設計画を見直し、運用していく。 


●汚染水対策に国費投入=福島原発、凍土で遮水壁―政府 時事通信 8月7日(水)11時37分配信 (yahooニュースより)

菅義偉官房長官は7日午前の記者会見で、東京電力福島第1原発の汚染水問題への対応について、安倍晋三首相が同日午後の原子力災害対策本部会議で、茂木敏充経済産業相に国費による対策の実施を指示することを明らかにした。

・汚染水対策は、原子炉建屋への地下水流入を防ぐために、周囲の土を凍らせて遮水壁をつくるのが中心となる。菅官房長官は会見で「これだけ大規模な凍土による遮水壁は世界でも例がない。国も一歩前に出て実現を推進する必要がある」と強調した。経産省は2014年度予算の概算要求に関連費用を盛り込む見通し。

福島第1原発、汚染水封じこめで苦闘(8月7日ウオールストリートジャーナル日本版国内編)

・YAHOOで「ウオールストリートジャーナル日本版」と記入して検索すれば見れます。(抜き書きすると著作権違反になるのでやめます)。


<所感>
・ようやく政府が腰を上げ始めたようですが、危機対応に間に合うでしょうか。成功を祈りたいですが、こうした計画だけで問題が解けるのか、素人では判断がつかず不安です。