90歳、卒寿翁の金言から

90歳卒寿の岸本新一著「成功の鍵はマネのなかにこそにある」幻冬社ルネッサンス刊を読む。経営管理に向けた内容はパスして、素直に読めて感銘した部分を記録します。

●本物のチームワークとは「馴れ合い」でなく「余裕」から生まれる

・自分の役割を果たすので精一杯という間は、その選手にはまだ余裕がありません。しかし練習を積み力をつけてきた時、自分のポジションの仕事をした上で、さらにプラスアルファの力が残ります。この余裕の力がチームメイトを助けるために使われるのです。助けたり、助けられたりした時、はじめてお互いを結ぶ敬意と信頼感が強まっていくのです。

<所感>
・「自立と連帯」という言葉の深い意味をあらためて思い浮かべます。また「非力の菩薩救わんとして溺れる」という名言も思い出しました。


●幸せは見えないーところが不幸せは見える

・二代目桂春蝶師匠の警句「誰もが求めて誰も見たことがないもの、それは幸せだ。不幸せというものはよく見える。不幸せが見えない時こそ幸せなのだ」。


●動・反動の法則

・この世界は「動・反動」の法則によって支配されていて、常に私たちの振る舞いが循環しているのです。「動・反動」の法則は、言い方を変えれば「与えれば与えられるの法則」とも言えるでしょう。ともかく動くことが大切だと思います。世の中にとってためになる行いをする不断の努力が必要になります。


●職場をオアシスにしよう

・オ(おはようございます)ア(ありがとうございます)シ(しつれいしました)ス(すみません)。これらの言葉を互いに明るく交わすことを励行することで社内の雰囲気が砂漠からオアシスへと変化するのです。


●人生には遊びが必要

・戦時中陸軍輸送潜水艇の航海長として操艇の指揮をとっていました。当時の舵輪は「遊び」が広く、舵が取りにくい代物でした。遊びが無ければ船は左右に急旋して操船不能になります。遊びの加減、そのコツをつかむまでに大いに苦労しました。

・人にも遊び、つまり心の余裕が必要なのです。趣味を多く持ち人生に潤いを持たせねばなりません。


●身の回りの小さなことから

・人間は困った時、急に何かをやろうとしてもすぐに実行できるものではありません。普段していないことは、その時突然やろうとしてもそう簡単にできません。

<所感>
・釜石の奇跡を生み出したのは、「大地震が来たら高台へ逃げろ」という正しい教えに基づいた、度重なる避難訓練でした。


●表情をよくするためには眉を伸ばせ

・心が乱れれば眉も乱れます。ほがらかな表情を保つ秘訣は眉にあるのです。眉と眉の間を伸ばすようにすると、大変穏やかな人相になります。

・表情を変えるというのはほんの小さなことですが、心が変わり、周りの人の心象も変わります。


●長生きするという意味

・百四歳になられた今岡信一郎先生(国際自由宗教連盟名誉会長)の言葉。「長生きとは人生の長さを言うのではない。例えそれが短い人生であっても、毎日が充実した生活が送られているならば、それは長生きといってよいと思う」

・長生きという言葉の意味を改めて教えていただいたと思います。中身の濃い生き方をぜひしたいものであります。


<所感>
・米寿の後の卒寿になっても、「百四十四の成寿を目指す今日この頃です。趣味の読書は子からの月十冊がボケ防止です。」と書く岸本新一氏の生き方に感銘の至りです。