法華経展を観覧する

 家内のブログ仲間のhappyさんから情報をいただいていたので、一昨日、法華経展を観覧するために創価大学池田記念講堂へ出かけました。
 小生は聖徳太子の精神、大乗仏教に大いに関心がありますが、現存のさまざまな宗派に関与する気持ちはまったくありません。
展覧会を一巡して、仏教の伝来をめぐる先人の努力、苦労にあらためて感嘆しました。日本仏教の源泉の一つに触れられたのは有意義でした。

●会場観覧の所感
 会場を入ると楽しく眺める美人画的な「飛天」の絵画や手塚冶虫の漫画「ブッダ」の展示がありました。次に法華経の教えをわかりやすく図解した「敦煌莫高窟」の壁画、そして「法華経の七譬」を経て、「法華のメッセージコーナー」に移行していく会場構成に感心しました。一般大衆を経典に親しむように仕向けるスタイルとして大いに学ぶべきだと思いました。

 アトムやジャングル大帝の手塚冶虫氏が「ブッダ」の漫画を描いていたとは知りませんでした。また法華経の七つのたとえ話も、方便の教えである三車火宅だけしか知りませんでした。(小生は、大乗仏教が部派仏教(伝統的仏教)と異なる点の一つとして、修行者の覚りだけでなく衆生を救うための方便を重要視し、それを駆使する姿勢であると理解しています)。

法華経の教え
 法華経の七譬の中で、化城宝処(けじょうほうしょ)に興味が湧きました。法華経信者が法華経は諸経の王者であると主張する理由がなんとなくわかりました。

 「宝のある場所に向かって遥かな遠路を旅する多くの人々がいた。しかし険しく厳しい道が続き、皆が疲れて止まった。そこの中に一人の導師がおり、方便力をもって幻の城を化現させ、そこで人々を休息させて疲れを癒した。人々がそこで満足しているのを見て、導師はこれは仮の城であることを教えて、そして再び宝処に向かって出発し、ついに人々を真の宝処に導いた」という物語です。(もろもろのお経が仮の城であって、真の宝処が法華経であることの譬話のようです)

●個人的大乗仏教
 大乗仏教の代表的な経典としては、法句経、阿含経般若経維摩経、涅槃経、華厳経法華三部経浄土三部経金剛頂経などが挙げられます。

 小生は聖徳太子の精神研究を続け、岡野守也先生のオープンカレッジで、般若心経、唯識三十頌、維摩経を学んできておりますが、法華経は全く知りません。太子の著作といわれる三教義疏が維摩経義疏法華経義疏、勝鬘経義疏なので、いずれは法華経を学ぶ必要があるとは思っておりました。

 今のところ法華経信者の方々が法華経が諸経の王者と主張することには素直にはうなずけません。戦後父親の葬儀を父親の知人であった日蓮宗の和尚に依頼したご縁で、母親や次女の葬儀も日蓮宗で行いました。今は二代目の和尚とのつきあいですが、小生が次女の墓で般若心経を唱えていることを話したら「それはいけません。南無妙法蓮華経だけを唱えなさい」といわれました。檀家の慣習に敢えて逆らうこともないので日常生活ではそうしていますが、内心ではそのテーマはいずれ研究して、自分なりの結論をださなければいけないと思っています。

 歴史を学ぶと、天台宗開祖の最澄法相宗の徳一との論争がありました。論争は最澄の勝利といわれておりますが、今でも徳一の見解を認める論者も存在しています。

 日蓮宗にもいろいろな宗派があり、禅宗では般若心経を唱えます。母の実家では浄土宗のお経を唱えています。大乗仏教にもいろいろな宗派があることがわかります。今のところそれぞれの宗派の教義にとらわれず、大きな流れの共通点を吸収すればよいと思っています。
 

happyさん 情報のご提供誠に有難うございました。おかげさまで勉強になりました。