難病に直面して体験したこと(2)

小生の病は患者の発生人数が少ない難病であって、今の病院に紹介状を書いてくれた医師が「この病には治療法が無い。今後大出血のリスクがある」と述べたので、もはや余命数カ月かと覚悟し、身辺整理に取り掛かっておりました。

ところが6月10日に、この病の研究で著名なS医師から「この病にはMD療法がある」「詳細検査のため6月20日ごろから10日間入院しなさい」「病の進行速度は思ったより早くないので、退院後はMD療法で抑制しながら生活することができるだろう」と言われて、余命数年?に延びたかとほっとしています。

余命数か月か?と覚悟して身辺整理を急いでいた時期と、余命数年が期待できる?という今の時期の心境の変化に
我ながら驚いております。

いろいろなことに反応して自然に笑顔が取り戻せたし、毎日散歩をする気力も湧いてきました。足腰がしっかりしてきました、食欲も出てきました。6月20日頃からまた検査入院ですが、その後S先生の治療法を受ければ、病状進化を抑制できるようなので、気持ちは安定しております。

治療法が無いといわれたときは、残された手段は中村天風師が言われるような心の持ち方の変容しかありませんが
やはり医学による治療法があるということが、大きな救いであることを実感しました。

余命がまだ少しあると感じられる今の心境としては、人間生まれた以上はいずれは死ぬわけで、死に対する恐怖感はそれほどありません。
しかし、身辺整理や後顧の憂いをなくす作業は結構大変と感じますし、病気に伴う苦痛は極力小さくしてほしいという念願は強まります。そして、3.11以後の日本の危機とその再生指針の在り方にも関心が湧いてきます。