キューブラー・ロスと死の受容をめぐって

キューブラー・ロス博士の著作「死ぬ瞬間と死後の生」を読み、彼女の感動的な生き様を伝える2冊の伝記も読んで、死を安らかに受容するための条件について理解したポイントを次の所感にまとめて、自分なりに納得していました。
・やり残した仕事を発見し、それを完遂する(人生を100%生きる)ことによって、人間は安心立命し安らかに死ぬことができるようです。

●しかし昨日岡野守也先生の講座で、「キューブラー・ロスと死の受容について」の解説を聴いて、小生の理解がまだ一面的なことを知りました。
・岡野先生の解説によれば、キューブラー・ロス博士が安らかな死の受容の条件としてだんだんに発見していったことは、次の3つの条件だそうです。(一つの条件ではない)。
①死ぬときにそれを受けとめてくれる人がそばにいること。
②本当にやりたいこと、やるべきことを全部やって心残りがないこと。
③やるべきことの中に含まれる死に対する様々な思い(怒ったり悲しんだりする感情)を全部表現し(吐き出し)てしまうこと。

●本当にやりたいこと、やるべきことをやり抜き100%生き切ったキューブラー・ロス博士でも、ご自身の末期には、ありのままの負の感情を露わにして、受け容れ難い死と不自由な身体に対する不快感や怒り、葛藤、恐れを言葉や態度で表現した。死生学の権威としてのキューブラー・ロス博士から、死生学の最後のレッスンを受ける生徒としてのエリザベス・キューブラー・ロスへの転換を行って、やがて息子と娘に見守られながら安らかな死を迎えた。(ブログ考える脳髄プラスαより)。


<所感>
同じ書物を読んだ後の自分(まだ3冊しか読んでいない)と、岡野先生(キューブラー・ロス関係の書物をほとんど全部読んでいる)岡野先生との理解の違いに驚き、優れた先達から学ベる悦びを感じました。