ゴミの再資源化80%を実現した上勝町の笠松町長の講演会へ行ってきました

ゼロ・ウエイスト宣言を掲げて、町の人々の積極的な協力を引き出し、ゴミの再資源化80%とという信じられない成果を上げている、徳島県上勝(かみかつ)町の笠松町長の講演を聞いてきました。
上勝町の運営については、テレビで放映された「地域の葉っぱを人気のつまもの産業に変えた彩(いろどり)農業(高齢者が元気にはたらき、IT機器も使いこなしている)」などで有名であり、08年には地域環境政策賞(首長部門)を受賞しています。
人口2000人の田舎の町でありながら、世界のモデルになる「持続可能なまち」へ向けて、町民の積極的行動を引き出している笠松町長のリーダーシップの秘密を知りたくて参加しました。
まずびっくりしたのは、上勝町ではごみの分別が34種類になっていることです。こんな大変なことを2000人の町民が本気で実行している。だからこそゴミの再資源化80%が実現できるわけです。
笠松氏は01年に町長に就任09年に3選されています。町民から信頼されているリーダーです。
●まず笠松氏の「生き方」「大きな志」に感銘しました。
・人は何を追い求めるか?金か?物か?利便性か?健康か?真・善・美か?→健康と真・善・美だ。教育革命が必要だ。
・日本の現状は経済、環境、福祉、教育、文化のすべてが悪循環社会に陥っている。これを好循環社会へ発想を転換すべきだ。
・浪費やムダを無くすゼロウエイスト政策で、2020年までに焼却埋め立てをなくす努力をする(資源回収法の制定)。等々−−−
●次に緻密な政策と実行力に感銘しました。
・政策の立案が対策中心ではなく発想の転換に立脚しています。たとえばゴミの焼却ではなく有価回収という発想転換です。
・再利用政策のためにまずリユース拠点(くるくるショップの運営)をつくっています。
・いろどり農業では第三セクター(株)ほか3社を設立し代表取締役に就任しています。(ここでは生産の主体である高齢者が収入を得てまた生き甲斐を感じています。第三セクターもしっかり利益を出しています。

現代日本人にもこういう人がいるんだと、あらためて感銘しました。