ルーブル美術館展(17世紀絵画)へ行ってきました

行列が大変だという話を聞いたので、並ばないで入れる時間指定券をインターネットで予約、ローソン店舗で機械を操作して指定券を購入しました。
昨日の午後2時半に到着したところ、通常チケット購入者の行列にはなんと60分待ちの札でしたが、すいすいと入館できました。
通常券より500円高かったですが、航空機のファーストクラスに乗る気分でした。

さすが17世紀の有名な絵画がずらっと並ぶ光景は、すごいです。絵の魅力に引き入れられて、人の波も気にならなくなりました。

71点の展示品のうちおよそ60点が日本初公開だそうで、そのうち30点は初めてルーブル展を出る名品で、見ごたえがありました。

印象に残った絵を列挙します。

<第一テーマ「黄金の世紀」とその陰の領域>
・ピエール・ミニャール「ド・ブロワ嬢(ルイ14世の娘)と推定される肖像」。(宮廷の高雅な女性のポーズを取る少女の雰囲気が良い)。
ヨハネス・フェルメール「レースを編む女
(描かれている少女のみずみずしい美しさ・慎み・静寂、最近の女性にはない雰囲気が好き)。
・ピエール・デュピュイ「葡萄の籠
静物が生きている迫力を感じる)。
・ピーテル・スナイエルス「プラハ近郊白山での戦い
カトリックハプスブルク皇帝軍とプロテスタントボヘミア軍との戦争絵で、17世紀の一端を感じることができた)。

<第二テーマ 旅行と「科学革命」>
・アントーン・ファン・ダイク「プファルツ選帝侯の息子たち」
(イギリスのチャールズ1世の宮廷の洗練された優雅さが生んだ
貴族的理想像の絵画的表現だそうで、息子たちの気品のある雰囲気が印象に残る)。
・ヨアヒム・ウテワール「アンドロメダを救うペルセウス
(左側に巨大な女性裸体画、右側に古代神話のテーマのペガサスに乗ったペルセウスと怪物の絵は、少年時代に繰り返し読んだ物語り(岩波文庫ワンダブック)の絵画表現だと、感銘しながら立ちすくんだ)。

<第三テーマ 聖人の世紀、古代の継承者?>
・カルロ・ドルチ「受胎告知天使」「受胎告知 聖母」
(この作品は17世紀フィレンツェの貴族達の趣味に適った作品だそうですが、一番印象強く鑑賞した2枚でした。絵葉書も購入しました。受胎告知天使の少女の顔に、少年時代に憧れた少女の顔を思い出しました)。
この2枚の作品が最も好ましいという点で、母べえと意見が100%一致しました。
・バルトロメ・ムーリョ「6人人物の前に現われる無原罪の聖母」
(17世紀には神聖なものが我々の近くに現われるという感覚がこうした宗教画を作り出している。神聖なものに対する感覚を失っている現代人に貴重な示唆を与える)。
・ウィレム・ドロスト「バテシバ」
(17世紀オランダで描かれた裸婦像の中で最も美しい作品の一つといわれている。ユダヤダビデ王がヒッタイ人の美しい妻に一目ぼれし、夫を戦地に赴任させ戦死させて、妻と不貞したという
聖書物語の絵画表現だそうだが、女性美が印象に残る)。

◇以上、解説本を購入して読みながら、自分の感想を書いてみて、自分の好みを自覚できました。それにしてもヨーロッパ絵画では17世紀が一番で、ヨーロッパ音楽は18世紀が一番だなーと思います。