細川元首相夫人のコメントに共感

日経ビジネスのインターネット版で「首相崩壊」をテーマとして特集を行っていますが、その中で、細川元首相夫人のコメントが掲載されていました。
細川元首相夫人のコメントには共感する内容が多いので、最後の部分を転載します。

●人を育てるということは、相手を思いやる心を持つということです。しかし、これだけ豊かで便利になってしまうと、人々に物質主義や拝金主義がはびこり、権力や名誉といった自分に関係あることばかりに関心が働いてしまっているのが現状です。しかし、本当にその人の人生を豊かにするのは、ものやお金よりも、心のふれ合いなど、目には見えないものなのです。

 細川は首相に就任した際、「どのような国を目指していくの」と問われると、「教養のある国」と答えました。さらに「教養とは」と聞かれると、「思いやりです」と語りました。思いやりは、人々の心を豊かにするものです。心が豊かになれば、夢や希望を持つことができます。

 今の日本に閉塞感があるのは、夢や目標に挑戦せず、できることしかやらない人が増えているためです。魂の抜けてしまった人が多くなったのは、教育が知識の詰め込みばかりで、何かに感動したり、他人の痛みを感じることを学ばせなくなってしまったからです。知識偏重になったのは、企業中心、経済中心の社会になったため、効率ばかり追い求め、一人ひとりの人間にスポットが当たらなくなってしまったことも影響していると思います。

 私がNPO(非営利法人)などを通じてポリオワクチンの普及支援などのボランティア活動に関わっているのは、一人ひとりの人間力を育てるためとも言えます。心を通い合わせ、人を育てる眼差しを持った人々が増えていけば、政治に限らず日本の社会全体が変わっていくのだと思います。
(聞き手は日経ビジネス オンライン 真弓 重孝)

アメリカ型市場原理主義と決別しようとするヨーロッパのリーダーと同じ視点の発言なので、日本の女性でもこういう見識のある人がいることに感銘しました。