ヨーロッパ旅行で感じたヨーロッパ社会の良さの背景がはっきり判った

今までに何回かヨーロッパ旅行をするたびに見聞した人々の暮らしぶりに、国は違っても共通するものを感じてきました。そこで感じたものは人間らしく生活を楽しんでいる姿でした。
このヨーロッパ人の生き方は、仕事がらみで訪問したアメリカ旅行で見聞してきた人々の暮らしぶりとは、明らかに違うことを感じます。
このたび、ヨーロッパの人々の人間らしい生活を支える背景を理解する書物に出会えました。
(小生現在別ブログ「isorokuのこころの旅路」で、「日本再生長期展望確立のための学習」というテーマで連載を続けておりますが、このたび福島清彦著「ヨーロッパ型資本主義」の抜粋を掲載することによって、ヨーロッパ人の生き方を支える背景が判りました)。

「isorokuのこころの旅路」のブログからその一部を転載します。

●ヨーロッパ各国リーダーの共通した考えかたは次のように要約できる。
①市場原理を社会のあらゆる領域へ無制限に適用していくと、社会不安が増大し、治安の維持に巨大な費用を支払わなければならなくなる。市場原理の下では貧富の格差が拡大し、対立が激化、犯罪が増大するからである。
②市場は非市場制度を利用することによってのみ機能するので、非市場制度を注意深く守り、育成していくことが必要である。労働力を生み出す家庭や教育機関、地域共同体、キリスト教などの宗教団体を、市場自身が作り出すことはできない。個人の精神生活を律する倫理や価値観は非市場制度の中から生まれるものである。
③企業利潤の極大化だけを唯一の目標にしなくても、相当な競争力があり、比較的平等で、所得水準が高く、安定した資本主義社会を作っ ていくことは十分可能である。ヨーロッパ各国はそのような、人間の顔をした資本主義社会を作ろうとしてきたし、今後もそのような社会を発展させていくべきである。
④株主利益極大化の為にだけ経営している企業は、新技術と新製品開発のための先行投資を怠り、顧客への安定した良質なサービス提供が続けられなくなり、競争力を失う恐れがある。社会全体としても同じことが言える。快適な社会を作るには公的部門の役割が重要である。政府はただ小さくすればよいものではなく、知恵のある強力な政府が社会の安定と発展のために指導力を発揮していかなければならない。
⑤国際資本移動と直接投資が急増し、さらに情報技術の進展によって、各国経済の結びつきが緊密化していく時代にこそ、非市場部門を大切にし、福祉を重視するヨーロッパ型資本主義を堅持していかなければならない。

ヨーロッパのリーダー(政治家、官僚、企業家たち)は、
こうした考えかたを実践しているのです。日本のリーダー
たちの考えかたとは大分違いますね。
日本のリーダーも国民も、ヨーロッパの考え方を見習うべきだと思います。