上野でコローを鑑賞

昨日は、ルーブル美術館に行かなくても上野でコローが鑑賞できる幸せを満喫しました。

実物に魅入って帰宅後、一夜明けて読んだコローの解説本の次のような解説に、あらためて納得しました。

●「真珠の女」はコローの半身像の中で最も愛された作品だが、ダヴィンチのモナリザのポーズを踏襲しながら、若い娘の顔はラファエロの理想化された姿を見せている。つまり彼女は盛期ルネッサンスの輝かしき19世紀版ハイブリッドなのである。


●「青い服の夫人」はコロー78歳の作品、人物画家としての絶頂期の傑作である。鷹揚で確かな技法、背景の色彩のひそかな調和、そして人物のほとんど記念碑的な自然なしぐさは、近代芸術の最も偉大な成功例に例えられる。


●「ヴィル=ダヴレーのカバスユ邸は初期の作品である。
この作品では、縦長の画面が遠近法の効果とあいまって遠くの家並みや地平線に見る者の視線を誘導し、リズミカルな構図が生み出されている。またそれに伴う前景の木陰から白い家、森の緑、青空に至る光と色彩の変化が素晴らしく、一度見たら忘れられないような晴れやかな画面となっている。