奈良時代為政者の国づくりの理想はどこから来たのか?

飛鳥・白鳳・天平文化の素晴らしさを引き出した為政者の心意気・国づくりの理想は、聖徳太子の17条の憲法に集約されている・・・岡野守也著「聖徳太子(日本の理想)」より。
私見でポイントを意訳して抜粋すると
●第1条・・・和をもって貴しとなし、抗争しないことを規範とせよ。上和らぎ、下睦びて問題を話し合えば事理おのずから通ず。
●第2条・・・まごころから三宝を敬え。三宝とは仏、その真理、その真理に従う人(僧)である。人間には極悪人はいない。三宝をよりどころとしてよく教えれば、真理に従うものである。
●第3条・・・君(為政者)は天のようであり、臣(官僚)は地のようである。天が正しく覆い、地が正しく載せるならば、四季が順調に移りゆき、民と万物の生気が通じることができるる。

どうやら、聖徳太子の国づくりの理想は、賢者・菩薩たちによる民のための政治を目指したようです。
こうした為政者の心意気が、奈良時代の匠の技を引き出し、
法隆寺薬師寺の伽藍や仏像が生まれたわけです。
現代の政府や企業の指導者達(トップマネジメント、ミドルマネジメント)は、市場原理主義の思想に蝕まれており、このままでは子供や孫達の未来が心配です。