NHK朝ドラマッサンの三級ウイスキー物語で考えたこと

朝ドラのマッサンは面白いので毎日見ています。昨日と今日の放映では、三級ウイスキーの開発をめぐって、「安い」ことと「うまい」ことを両立させることの難しさがテーマになっていました。

ドラマでは、両立させる方法として、添加するアルコールの選択ではなく、特殊な原酒(貯蔵年月が若く香りが特に強い)の発見、そして醸造用アルコールには麦からのものだけ使用という解決策でした。

この解決策にたどり着くにはマッサンの岩をも貫く強い一念があっったという筋書きです。

ヒントになったのは、軟水しかない広島で灘・伏見に負けない清酒づくりに挑戦したマッサンの父親の「大事なのは麹ではなく原料の米」の一言でした。

日本には昔から「あちらを立てればこちらが立たない。こちらを立てればあちらが立たない。両方立てれば身が持たない」という諺があります。

しかし、岩をも貫く一念によって、「身がもたない」を克服し、「両立できる肝の発見」そして「両立の実現」に辿り着くというパターンが、歴史の現実にときどき見受けられます。物語が感動されるのも、そうした背景があるからだと思います。

・これからの時代は、こうした対立する項目を両立させることは可能だとする考え方を幅広い分野に適用すべきだと思います。

・例えば、「福祉に金を使いすぎると経済の国際競争力が落ち、結果的に福祉水準も低下する」という見解は経済・政治指導者の常識のようです。

・しかし発想を変えれば、「経済と福祉は相互促進の関係になる」という事例があります。高度福祉国家の北欧諸国は教育水準が高く知識産業が盛んで、国際競争力も高いようです。