予期せざる断食一週間の体験

思いもかけず断食一週間を体験しました。断食があけて始めて口にした重湯と清し汁のうまさに感動しました。その後も三分粥から五分粥と段々慣らして、ようやく本粥を食べられるようになったのが絶食終了から5日後でした。結局15日間の入院で無事に退院できました。
虚血性腸炎という病名で入院し、断食しながら点滴で止血消炎剤の入った点滴の生活を続けましたが、快適な施設と親身な看護師さんたちのお世話で、比較的苦痛を感ぜずに快適に生活できました。支えていただいた人々に感謝いっぱいです。

日本の医療崩壊が喧伝されていますが、小生が入院した多摩南部地域病院の医療システムはしっかり運営されていました。
外科西棟の20人の看護師さんたちのサポートは行き届いておりました。たとえば、まだ先だとあきらめていた入浴が、点滴中にもかかわらず、健康状況を判断した看護師さんが点滴針の部分をカバーして、入浴できるよう取り計らっていただき、予想以上に早く入浴できました。湯船につかって思わず昔覚えた「祝いめでたの若松様よ」の民謡を歌いました。また、療養スケジュールの次の段階を知りたがる小生の質問に、丁寧に情報をくれました。さらに少しですが汚してしまったシーツをすぐに取り換えてくれました等々、人間味にあふれた対応に感激しました。そして毎回の食事の味がおいしく感じられました。

入院前にはかかりつけの東郷クリニックで、血便がでて心配ですと駈け込んだら、そのあとの連休中の3日間の絶食後、内視鏡で検査していただき、3か所の炎症部分を発見し、即多摩南部病院に紹介状と予約をしていただきました。(前年の夏に同じ病状で診療していただいたことがあったので対応が敏速でした)。

各地の医療崩壊が進んでいる中で、小生はまだまだ健在の医療システムのおかげで、円滑に快癒させていただきました。日本の医療システムが、小生が体験したような水準で維持されるよう心から祈念する次第です。

母べえのブログで小生が入院中でも眉にしわを寄せずに、にこにこしていたと書いておりましたが、苦痛が少ないこの程度の入院の場合ならば、小生のものの考え方・感じ方で、日日是好日の心境を維持できると感じました。ガンのように苦痛が厳しい病にかかれば、そうはいかないと思いますが。

仏教の教えでは、すべては縁起的存在であって諸行無常諸法無我なので、自分という心身はいつまでも思うようにはならないと明らめる(諦める)しかない。そうするとたとえ0.1しかないプラスの側面でも10倍に感じられてありがたい存在に感じられるし、マイナスの側面は発生するのが避けれれないと諦めるので、1であっても十分の一の0.1に感じられるように、感覚を操作できるようになります。これが小生の学んだ「日日是好日」の生き方を導くあり方だと思っています。 これはまだ初歩の学び段階であり、星霜烈日の日々になった場合にはとても「日日是好日」にはなれないなと思います。心頭を滅却すれば火もまた涼しの心境には到底なれないと思いますが、修行を続けたいと思います。