スウェーデンという国は学ぶ価値がある

スウェーデン大使の藤井威氏の最近の論文や講演に大いに感銘しました。ポイントを列挙すると次のとおりです。

●藤井威「スウェーデン型社会という解答」中央公論1月号より
グローバル化と競争の激化に一国の経済が効率的・効果的に対応する方策としては、適度な高負担を伴う高福祉システムの実現こそ最も望ましい。

毎日新聞09年2月3日夕刊特集ワイド「藤井威さんに聞くスウェーデンの学ぶ点」より
・一人当たり国内総生産(06年)・・・日本3万4252米ドル、スウェーデン4万2170 米ドル
国内総生産実質成長率(06年)・・・日本2.7%、スウェーデン4.0% (総務統 計局「世界の統計2008」を基に作成)。
・96年からの10カ年で日本はマイナス成長が2回あったのに、スウェーデンは一度もない。

●持続可能な国づくりの会定期学集会(3月15日開催)における藤井威氏講演の資料より

社会保障給付費の国際比較(2003年)>
社会保障給付費の対国内総生産比におけるスウェーデンの突出ぶりと、福祉国家アングロサクソン型、大陸型、北欧型という3類型の具体的様相が判ります。以下のとおりです。
スウェーデンは、医療費7.1%、年金10.4%、福祉その他(保育・家族政策・老人福祉・積極的市場政策=再雇用推進政策)14.4%、合計31.9%で、先進国の中ではトップです。
フランスは、医療費7.6%、年金12.6%、福祉その他8,9%、合計29.1%です。
ドイツは、医療費8.0%、年金12.3%、福祉その他8.2%、合計28.4%です。
イギリスは、医療費6,7%、年金6.9%、福祉その他7.9%、合計21.4%です。
日本は、医療費6.2%、年金9.2%、福祉その他3.3%、合計18.6%で、先進国の中ではブービーです。
アメリカは、医療費6.9%、年金6.9%、福祉その他2.8%、合計16.6%で、先進国中最低であり、格差社会の厳しさが如実に現れています。
(この資料は、OECD「SocialExpenditureDataBase2007」等に基づき、厚生労働省政策統括官付社会保障担当参事官室で算出)。

◇所感・・・スウェーデン型社会は高負担高福祉でありながら経済が強靭であるということは、今までの日本の常識では考えられない理屈なのに、ここ10年来の事実であることに驚き、その秘密に迫りたいと発心しました。