スウェーデンの国づくりを学びながらの所感(つづき)

今年は学生気分の1年でした。来年は80歳の大台に乗りますが、いのちの続くかぎり、学ぶ楽しみを味わいたいと念じております。
引き続きスウェーデン社会民主党の考え方を学んだ所感を記録として記します。

☆ 所感
・グリーンな福祉国家を目指すための叙述を読んでいくと、まず「経済発展は、環境的持続可能性との調和をはからなければならない。」という理念が提示されています。
その後、「当面求められるのは、資源節約型で効率的な生産、エネルギーシステム、輸送システムを採用していくこと」「環境保護の要請に対する配慮は、はじめから生産プロセスに組み込まれていなければならない。」といった戦略的方針が述べられます。
次いで、その部門別政策として、例えば「輸送シテムは、公共輸送に重点を置くように再組織されると同時に、また燃料消費量の少ないエンジン、代替燃料、よりよい洗浄技術を発展させるための投資が要求される。」という表現があります。
理念→戦略的方針→部門別政策と具体化していき、実に明快です。
こうした部門別政策をさらに実行計画に落とし込んでいけば、成果が上がるのは間違いないと思われます。政党の綱領の在り方の模範と感じました。(日本でもすぐれた企業は皆このようなスタイルで運営されています)。

・知識社会に対する叙述も同じスタイルです。

社会民主党が直面している課題は、今真の知識社会をつくりだすことであり、それは誰にでも同じ条件で利用可能な訓練と教育に基づいた社会である。」という理念が提示されています。
次いで、「社会には、誰でも利用できる施設、スタッフ、技術的インフラストラクチャを確実に提供していく責任がある」という戦略方針の叙述があります。
最後に、「生涯学習」部門においては、例えば「成人教育、能力開発、質の高い職業教育については、その形態を拡張、強化していくことが必要である。そのためには高等教育、労働市場教育、ボランタリーな成人教育、そのいずれもが重要である。」と部門別政策が述べられています。
「文化部門」では、例えば「図書館は無料にすべきである。学習や文化を促進する集まりのための集会場はすべての人々に対して、容易に利用できなければならない。」という叙述があります。

スウェーデン社会民主党は、理念→戦略方針→部門別政策が明快であり、地方や職場の社会民主党員は、その部門別政策に沿って実行計画を計画し、実行し、検証を行っていくでしょうから、全国的に成果が上がるのが当然と思われます。

・こうした在り方は、まさに経営学の原則どおりと感じました。
こうした政党が長い間政権を運営したことが、スウェーデンが緑の福祉国家になれた理由だと思われます。