同窓会の話題

学生時代にいつも一緒で議論し続けていた3人が語り合う会をときどき開いています。
今回は高齢期の大台に乗った者として、どう生きるかをテーマに語り合いました。

S君は、雑学博士なのでいつものように博識を披露して「年齢別余命の統計表によれ
ばわれわれの余命は後8年だ」と語ります。
K君は「毎日好きなことをやれて生きる充実感が味わえるので、それでいいではない
かと思っていたが、いよいよ大台の年齢になったので身辺整理を考えなければいけな
いのかな。さびしいな」という話をします。
N君は、仏教研究家らしく興福寺貫主多川秀英さんの言葉を紹介します。「生きると
いうことの中に、生と死が混在しているのだ。人間は誰でも明日死ぬかも知れない。
生と死を切り離す考え方は傲慢きわまりない。死は生を否定するけれど、同時に、む
しろ生を充実させるものでもあるのだ」という見解です。

3人で話合った結論は次のとおりです。
・余命8年は長すぎて現実的ではないかもしれない。しかし明日死ぬかも知れないも
現実的でない感じがする。
・そこで余命1年と考えるのが適当ではないか。後1年の余命と決めれば毎日毎日が
勝負の日々となって生き方が充実する。(戦争中のあの感覚だよ)。
・そして1年経ってまだ元気でいられたら次の余命1年を生き抜く。結果として後8年
生きられたら望外の幸せだし、後1年で死んでも悔いは残らないね」です。

この結論でさっぱりした気持ちで握手して別れました。